宇多田照實氏の人生を語る上で欠かせないのが、元妻であり昭和歌謡史に名を刻んだ大歌手・藤圭子さんとの激動の歩みです。二人は1982年に結婚しましたが、その後、驚くべきことに6回から7回にわたって離婚と再婚を繰り返したことで広く知られています。
なぜこれほどまでに別離と復縁を繰り返したのか。その背景には、互いに強い個性と芸術的感性を持つゆえの激しい衝突と、それ以上に断ち切れない深い精神的絆がありました。照實氏は後年のインタビューや手記において、藤圭子さんの抱えていた繊細な精神状態や苦悩を誰よりも理解し、支えようと奮闘していたことを明かしています。
2007年に最終的な離婚届が提出され法的な夫婦関係には終止符が打たれましたが、音楽パートナーとしての連帯は続きました。2013年に藤圭子さんが急逝した際にも、照實氏は元夫として、そしてヒカルさんの父として真摯に追悼のコメントを発表し、彼女の歌手としての偉大さと人間的な魅力を称え続けました。