現在、お酒を取り巻く環境は激変している。特に欧州を襲う異常気象は、ブランデーの原料となるブドウの収穫量に深刻な影を落としている。コニャック地方では、夏の猛暑と春の遅霜により、伝統的な品種の酸味と糖度のバランスを維持することが年々難しくなっている。これがプレミアムブランデーの価格高騰に拍車をかけている状況だ。
一方のウイスキー市場も穏やかではない。ジャパニーズウイスキーやスコッチのシングルモルトは、世界的な投資対象としての地位を確立し、ヴィンテージボトルの価格は天井知らずだ。かつては日常の贅沢だった12年もののボトルが、今や手の届きにくいコレクターズアイテムへと変貌しつつある。気候と経済の両面から、私たちは今、これまでにない「琥珀色の危機」に直面していると言える。