こうした鑑賞者の意識変化は、大手のコンテンツパブリッシャーの戦略にも直接的な影響を与えている。日本のエンターテインメント産業を牽引する東宝やソニー・ミュージックエンタテインメントといった巨大企業は、単なるキャラクタービジネス依存からの脱却を提示し始めた。
アニメーション制作業界をはじめとするクリエイティブの最前線では、一過性のキャラ推しを狙うプロモーションではなく、劇伴音楽や色彩設計、脚本の緻密な伏線回収など、作品全体のクオリティで観客を唸らせる作品創出へ原点回帰している。個々のキャラクターに依存しない圧倒的な世界観の提示こそが、現代の成熟した鑑賞者の心を捉えて離さない。