六代桂文枝(旧名・桂三枝)師匠が妻の真由美さんと結婚したのは、若手落語家として頭角を現し『ヤングおー!オー!』などで爆発的な全国的人気を博していた1972年(昭和47年)のことでした。当時、文枝師匠は20代後半、真由美さんはまだ10代後半という若さでした。知人の紹介で出会った2人は急速に距離を縮め、文枝師匠の多忙を極めるスケジュールの合間を縫って愛を育み、ゴールインに至りました。
結婚後の真由美夫人は、単なる「芸能人の妻」にとどまりませんでした。文枝師匠の個人事務所である「三枝成(さんしなり)プロダクション」の代表取締役社長に就任。吉本興業との窓口業務やギャランティの管理、税務処理、さらには弟子の世話から後援会関係者への気配りまで、表舞台に立つ文枝師匠が落語や番組司会に没頭できるよう、裏方の重責をすべて背負い込みました。
関係者の証言によると、真由美夫人は極めて聡明で気配りの行き届いた人物であり、吉本興業の歴代幹部からも「真由美社長が首を縦に振らなければ動かない案件がある」と一目置かれるほどの経営手腕を発揮していました。外では常に腰を低くしながらも、夫の芸の価値を誰よりも信じ、利権やトラブルから師匠を徹底して守り抜く鉄壁の盾となっていたのです。