次なる代表作『モトカレマニア』で、彼女はさらなる飛躍を遂げる。過去の元カレを忘れられず、心の中で神格化してしまう主人公・ユリカ。従来のラブコメディであれば「未練がましい困ったヒロイン」として片付けられがちな設定だが、本作は全く異なるアプローチを取った。
元カレのSNSを巡回し、妄想の中で会話を繰り広げる行動の裏にあるのは、誰しもが抱える「過去の肯定」と「自己愛」の葛藤だ。誕生秘話として語られるのは、SNS時代における人間の孤独と「他者との繋がり」への渇望をいかにポップに笑いへと昇華させるかという挑戦であった。執着や未練をポジティブなエネルギーとして描き直す視点の転換こそが、作品に類稀な魅力を与えている。