多くの俳優が「朝ドラヒロイン」というパブリックイメージの脱却に苦心する中、彼女の足取りは驚くほど軽やかだった。好感度の高い王道ヒロインにとどまることを良しとせず、エキセントリックな役柄や、どこか人間臭い欠陥を抱えたキャラクターへ積極的に飛び込んでいったのだ。
一見すると滑稽に思える挙動や、感情の崩壊を描く場面でも、決して大げさなウソには見せない。キャラクターの根底にある泥臭さや悲哀をすくい上げる巧みさがあるからこそ、視聴者は彼女演じる人物を嫌いになれず、気づけば深く共感してしまう。失敗を恐れずに尖った役柄を選び続ける姿勢が、女優としてのキャリアをより一層重厚なものにしている。