しかし、発表直後から他の統計学者や研究者たちによって、このデータには深刻なロジックの欠陥があることが指摘された。それが「生存者バイアス(コホート効果)」と呼ばれる統計の落とし穴だ。
20世紀半ば以前の社会では、幼少期に左利きを右利きへと厳しく矯正する風習が一般的だった。そのため、調査対象となった高齢者層には「もともと左利きだったが右利きとして暮らしていた人」が圧倒的に多く、自称「左利き」の多くは矯正文化が薄れた若い世代に偏っていたのである。若年層の割合が高いグループの平均死亡年齢を計算すれば、見かけ上の死亡年齢が低くなるのは統計学的に当然の現象だ。