1987年の離婚を経て、沢田研二は女優の田中裕子と再婚した。志村けんの遺志を継ぐ形で主演を務めた映画『キネマの神様』で見せた深みのある演技など、父は年齢を重ねるごとに表現者としての円熟味を増している。田中裕子との長年の生活の中でも、前妻との間に生まれた息子への配慮や金銭的・精神的なサポートは絶たれることがなかったと言われる。
複雑な家族の機微を含みながらも、それぞれの人生が互いに侵し合わないよう配慮された関係性。表立った交流がアピールされることはないが、静かで揺るぎないリスペクトがそこには存在している。ゴシップ記事が煽るような対立構造とは異なる、大人たちの思慮深い配慮が窺える。