今回の取材で入手した制作関係者の独占証言は、番組誕生の凄惨で美しい舞台裏を鮮明に映し出す。当時、スタジオの照明を完全に落とし、深夜の真っ暗闇の中で録音が行われていたというエピソードは有名だ。音響エンジニアは「モリスは音の『隙間』に異常なこだわりを見せていた。笑わせるためではなく、聴き手を不安と恍惚の境界線へ引きずり込むための音響構築だった」と振り返る。
ラジオという視覚情報のない世界で構築されたシュールな悪夢。商業的な成功とは一線を画した実験的試みであったにもかかわらず、本作品は国境を越えて語り継がれる奇跡的なカルト作品へと昇華していった。