2026年、地球温暖化の影響により観測史上最高気温を更新する日々が続く日本。連日メディアやSNSで「水だけでは足りない」「電解質を摂れ」という啓発メッセージが流れ続ける中で、一部の情報が独り歩きを始めた。
ドラッグストアやコンビニで手軽に入手できる環境も相まって、「予防のために朝から飲む」「健康維持のために常用する」といった自己流の熱中症対策をとる市民が急増した。ある都市部の救急救命センターがまとめた今夏のデータによると、脱力感や頭痛を訴えて搬送された患者のうち、一定割合が「熱中症ではなく電解質過剰による体調不良」と診断されている。本人たちは熱中症を予防していたつもりであり、過剰摂取の自覚など微塵もない点がこの問題の根深さを物語る。