この単語が持つ「失踪」や「不在」という暗い影のニュアンスを、エンターテインメントの極致として表現したのが、Amazon Prime Videoなどで話題を呼んだ大ヒット作だ。『アブセンシア〜FBI失踪者の影〜』というタイトルを聞いてピンとくるドラマファンも多いだろう。作品全体を覆う重厚なサスペンス・ミステリーの空気感は、まさにこのタイトルが象徴している。
劇中で主演を務めるスタナ・カティックが見せる圧倒的な演技は、単に肉体がそこに存在しないことだけでなく、記憶や心が欠落している精神状態としての「absent」を見事に体現していた。スタナ・カティック扮する主人公が長年の失踪から奇跡的に生還するものの、連続殺人容疑という過酷な運命に巻き込まれていくストーリー展開は、語彙が持つ本来の陰影を強烈に印象づける。