NHK(日本放送協会)が金曜夜のプライムタイムに本格的な時代劇コメディを据えた試みは、当時のテレビ放送業界においてきわめて野心的な挑戦だった。時代劇といえば重厚な歴史劇や勧善懲悪のアクションが主流だった時代に、市井の町人たちの日常や下町の喜怒哀楽を舞台劇スタイルで軽妙に描く構成は、視聴者の心を瞬く間に捉えた。
舞台上で繰り広げられる芝居は、長屋の隣人トラブルから夫婦喧嘩、商家のドタバタ劇まで実に多彩。脚本の骨格がしっかりしているからこそ、演者たちの自由闊達な掛け合いが何倍もの笑いを生み出していた。派手なCGや演出効果に頼らず、役者の身体表現と台詞の間だけで勝負するストロングスタイル。それこそが、視聴者を毎週テレビの前に釘付けにした最大の要因である。