濃霧に包まれた瀬戸内海・女木島沖で起きた紫雲丸と第三宇高丸の衝突は、修学旅行の喜びの只中にあった生徒たちを突如として悲劇の底に突き落とした。高知学芸高校の前身となる高知学芸中学校の生徒・教員を含む多くの乗客が犠牲となったこの事故は、当時の運行管理における重大な不備と視界不良下での過信が重なった結果であった。
激しい衝撃とともに傾斜する船内では、逃げ惑う子どもたちの悲痛な叫びが響き渡った。事故の直接的な原因は、双方の船舶による避航動作の遅れと、レーダー運用への不慣れにあったとされる。この悲劇の全貌が明らかになるにつれ、社会全体に激しい怒りと深い悲しみが広がり、二度とこのような惨劇を繰り返してはならないという強い思いが刻み込まれることとなった。