和久井被告と被害女性の接点は、女性がかつて経営していた上野のガールズバーでした。報道関係者の取材や法廷証言によると、和久井被告は店に通い詰める常連客の1人であり、やがて女性に対して強い恋愛感情を抱くようになっていきました。
特筆すべきは、和久井被告が女性の店舗開業資金や生活支援名目で拠出したとされる膨大な金銭の存在です。被告は長年大切に所有していた希少なホンダ・NSXなどの愛車や高級バイク、コレクションしていた時計などを次々と売却。親族や知人の証言によれば、投じた総額は数千万円規模に達していたとされています。
和久井被告側は「結婚を前提として金を出していた」「店を辞めて一緒になると信じていた」と主張していました。しかし、女性側にとってそれは顧客からの資金調達あるいは営業上の関係に過ぎず、次第に被告の執拗な干渉を疎ましく感じるようになります。女性から「黙って働いてろよ暇人」などと突き放され、返金を求める要求も拒絶されたことで、被告の好意は猛烈な憎悪とプライドの崩壊へと転じていきました。
女性は事前に警察へストーカー被害を相談しており、警視庁は和久井被告に対してストーカー規制法に基づく警告および接近禁止命令を出していました。しかし、命令によって物理的な接触を遮断されたことが、かえって被告の一方的な被害者意識と怨恨を加速させる引き金となってしまいました。