巨大直売所の熱狂とは対照的な魅力を放つのが、大阪府下唯一の村、千早赤阪村に佇む「道の駅 ちはやあかさか」だ。かつて「日本一小さな道の駅」として名を馳せたこの場所は、いまやクラフト感と地域愛がぎゅっと詰まったコミュニティの実験場へと変貌を遂げている。
木造の温もりあるカフェスペース。窓の外には日本の棚田百選にも選ばれた下赤阪の棚田がパノラマで広がる。ここで供されるのは、棚田米を使った素朴なおにぎりや、地元の果実を絞ったクラフトシロップのソーダ。派手なアトラクションは何一つない。だが、山里の静けさと淹れたての珈琲、そしてスタッフの手仕事が醸し出す空気が、情報過多に疲れた都市生活者の神経を優しく解きほぐしていく。「何もない贅沢」を求めて、週末ごとにロードバイクやソロキャンパーが集まる理由が、この縁側に腰掛ければよくわかる。