ここで誤解を解いておきたい。よくある誤解の第一は「関西弁の一種である」というものだ。しかし、関西の伝統的な方言体系に「うる覚え」は存在せず、方言学者の間でも独立した方言としては扱われていない。第二の誤解は「若者全体に普及している」というもの。実際は認知度と使用率の乖離が大きく、一部のネット層と芸人ファンに偏っている。第三の誤解は「テレビ発の流行語」というもの。テレビは増幅装置ではあったが、起源はネットと舞台の相互作用にある。
さらに、うる覚え関西 方言としての扱いを巡っては、地域アイデンティティを損なうとの懸念も一部で上がっている。関西弁を「ネタ化」することへの違和感は、関西出身の識者からも指摘されてきた論点だ。この点は、うる覚え関西を語る上で見落とせない盲点である。