特定技能1号の運用において、外国人材本人と受入企業の双方が最も強く直面するのが特定技能1号の在留期間上限、いわゆる「通算5年の壁」です。制度上、1号資格での滞在は最長で5年(6か月、1年または4か月の更新を重ねて通算5年)と厳格に定められており、これを超えて1号のまま日本に留まることはできません。
もう一つの大きなハードルが特定技能における家族帯同の条件です。特定技能1号では、本国に残した配偶者や子を「家族滞在」の在留資格で呼び寄せることが原則として認められていません。人道的配慮に基づく極めて稀な例外を除き、5年間にわたって単身生活を余儀なくされるのが実態です。
現場の外国人労働者からは「日本での仕事に慣れ、会社にも貢献できているのに、5年で帰国しなければならないのは辛い」「子どもが小さい時期に長期間離れて暮らす精神的負担が大きい」といった声が聞かれます。受入れ企業側にとっても、5年間かけて熟練した戦力を手放さざるを得ないリスクは極めて深刻です。
この課題を克服する唯一の道が「特定技能2号」への移行です。2号試験に合格して資格を変更できれば、在留期間の更新上限が撤廃され、家族の帯同も可能になります。ただし、2号の評価試験は実務経験年数(通常2〜3年以上の現場監督経験等)を要するケースが多く、5年の期限内に2号の要件を満たせるよう、企業側が計画的なキャリア支援と実務経験の付与を行えるかが成否を分けます。