バイカルアザラシの代名詞といえば、首のくびれがほとんど見当たらない「完璧な球体フォルム」です。水中にプカプカと浮いている姿や、陸上で丸まって昼寝をする姿は、まるでクッションや巨大な岩のようにも見えます。
この丸さには、過酷な環境を生き抜くための必然的な理由が存在します。シベリアの冬は気温がマイナス40度以下に達し、バイカル湖の表面は厚さ1m以上の頑強な氷に覆われます。極限の冷水から内臓を守るため、バイカルアザラシの体は厚さ10〜15cmにも及ぶ分厚い皮下脂肪で覆われており、体重の大部分をこの脂肪層が占めているのです。
体格のスペックを見ると、成獣の体長は約110〜140cm、体重は約50〜90kg(太る冬場には100kg近くに達する個体も存在)と、アザラシ科の中では比較的小柄な部類に入ります。表面積を最小限に抑えて体熱の発散を防ぐ「球体に近いプロポーション」こそが、厳しい自然界が作り上げた究極の防寒設計なのです。