モデルブームの終焉後、背が高すぎるという理由から役がつかず、不遇の20代後半を過ごした時期がある。パチンコで食いつなぐような苦しい日々の中でも、父親は静かに息子を信じ、余計な口出しをすることはなかった。その我慢強い見守りがあったからこそ、彼は自らの殻を破り、コミカルな役柄にも果敢に挑戦する覚悟を固めることができた。
怪演で話題を呼んだ『TRICK』での破天荒な物理学者役、映画『テルマエ・ロマエ』での古代ローマ人浴場設計技師役、そして世界的なスケールで社会現象を巻き起こした『VIVANT』での凄腕公安警察官役。シリアスからギャグまで振り幅の広い異色のキャリアを築けたのは、父親譲りの辛抱強さと、どんな役にも誠実に没頭する職人哲学があったからにほかならない。