キャラクターの視線に吸い込まれそうになる体験——その秘密は「球体意識」と「光のコントラスト」にある。眼球構造・解剖学の知見をイラストに応用することで、平面なキャンバス上に本物のような奥行きが立ち現れる。瞳を単なる丸として捉えるのではなく、ゆるやかなカーブを描く立体として捉え直すことが第一歩だ。
さらに重要なのがハイライトの配置と黄金比率だ。メインの光源を決定したら、対角線上にわずかな透過光(環境光)を潜ませる。この差分が瞳の透明感を生み出す。メインハイライト対サブハイライトの比率は「7:3」あるいは「8:2」に抑えるのが作画の鉄則。光を乗せすぎると視線が散漫になり、逆に生命感が失われてしまうからだ。