「ペニシリン開発者は一体誰なのか?」という問いに対し、医学史における正確な答えは「アレクサンダー・フレミング、ハワード・フローリー、エルンスト・ボリス・チェーンの3名」です。放置されていたフレミングの論文を再発掘し、薬としての命を吹き込んだのがオックスフォード大学の研究チームでした。
オーストラリア出身の病理学者ハワード・フローリー教授と、ナチス・ドイツの手を逃れてイギリスへ亡命してきたユダヤ系生化学者エルンスト・ボリス・チェーンは、1938年頃からペニシリンの本格的な精製研究に着手します。チェーンが生化学的な分離・濃縮の手法を編み出し、フローリーが動物実験を主導したことで、1940年にマウスを用いた感染防御実験で劇的な治療効果が実証されました。
1941年には重症の敗血症患者に対する世界初の臨床投与が行われ、ペニシリンが人間に対しても強力な効果を発揮することが証明されます。この不滅の功績により、発見者のフレミング、実用化を主導したフローリー、精製法を確立したチェーンの3名は、1945年のノーベル生理学・医学賞を共同受賞しました。