首都圏を含む主要都市部では、早朝から交通網が完全に麻痺した。主要路線が始発から全線運転見合わせとなり、駅前ターミナルは行き場を失った通勤客や旅行者で溢れかえった。タクシー乗り場には数百人の列ができ、運行再開の見通しが立たないアナウンスが響き渡るたびに大きな溜め息が漏れた。
さらに深刻なのが電力網の破断だ。送電鉄塔の倒壊や配線途絶により、十数万戸以上で大規模停電が発生。猛暑が残るなかでエアコンが作動せず、熱中症のリスクが急速に高まっている。自治体は急遽、自家発電装置を備えた公共施設を冷却避難所として開放したが、バッテリーの枯渇という新たな壁に直面している。