カレンシルバーとは、タイ北部からミャンマーにかけての山岳地帯に居住する先住民族「カレン族(Karen)」が、代々受け継いできた手工業で作る伝統的な銀細工です。
タイ・カレン族の伝統工芸として名高いこの銀細工は、採掘した銀の精錬から板・線への加工、成形、刻印打ちに至るまで、その大半が職人の手作業によって行われます。専用の機械で大量生産される既製品とは異なり、形状にわずかな歪みや個体差が生じますが、それこそが「世界に二つとない一点もの」としての価値を生み出しています。
カレン族の人々は自然界のあらゆるものに精霊が宿ると信じる「アニミズム(精霊信仰)」を重んじて暮らしており、作り出される銀細工のモチーフにも動植物や自然現象への敬意が色濃く反映されています。手仕事ならではの揺らぎと温もり、そして民族のスピリットが宿る意匠こそが、カレン族の銀細工が持つ最大の特徴です。