興亜火災海上保険のルーツを振り返ると、その創業は戦時体制下の1944年(昭和19年)に遡ります。複数の保険会社が統合されて発足し、戦後の高度経済成長期には三和銀行(現・三菱UFJ銀行)の企業集団「三水会」や「みどり会」の有力メンバーとして確固たる地位を築きました。
リテール(個人向け)市場に強みを持ち、特に代理店網を通じた火災保険や自動車保険の普及に大きく貢献しました。「堅実経営」を看板に掲げ、バブル経済期にも手堅い資産運用で知られた優良損保の一角でした。
しかし、1990年代後半の金融ビッグバンに伴う保険料率の自由化や激しい市場競争を受け、単独路線から規模の拡大へと舵を切ることになります。日本火災との合流、そして損保ジャパンとの巨大統合へと至る歩みは、日本の金融再編史そのものを象徴しています。