一般社団法人日本フードサービス協会が発表する外食動向データを紐解くと、顧客が店舗に求める「価値体験」のハードルが年々高まっていることがよくわかる。ただお腹を満たすための外食ではなく、1回の訪問でどれだけ心躍る時間を得られるかが選定基準になっているのだ。
いま繁盛店が続々と導入している人気メニューの構成案には、明確な勝利の方程式が存在する。着席から30秒以内に注文が決まる「スピード即出し料理」を筆頭に置き、続いて店のアイデンティティを示す「高利益率の看板名物」へ視線を自然に滑らせる。仕上げに、旬の食材を使った「季節限定の創作皿」を添える。この3段活用によって、客単価は無理なく伸びていく。
低価格高品質を武器に成長を続けてきた株式会社鳥貴族ホールディングスのような大手チェーンも、メニュー改定のたびに徹底した顧客行動解析を行っている。定番品で圧倒的な安心感を与えつつ、いかに高付加価値な限定品へと注文を波及させるか。その裏側には、緻密に計算された配置の美学が隠されている。