駆血帯は複数の患者の皮膚に直接接触するため、適正な衛生管理を怠るとMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や多剤耐性菌の交差感染媒体となります。近年の感染制御基準に基づいた管理手順が求められます。
ラテックスフリーの必須化
天然ゴムラテックスは伸縮性に優れる反面、アナフィラキシーを含む即時型アレルギーのリスクを有します。患者だけでなく医療従事者自身の感作を防ぐためにも、現在では合成ゴム(シリコンやTPE、ポリウレタンなど)を使用したラテックスフリー駆血帯の導入が標準化されています。
日常的な洗浄・消毒方法
布製バンドやバックル式駆血帯は、患者ごとに70%以上の消毒用エタノールまたは第四級アンモニウム塩含浸シートでの清拭を行います。血液や体液が付着した場合は直ちに使用を中止し、0.05%〜0.1%の次亜塩素酸ナトリウム溶液への浸漬消毒、あるいは中性洗剤による手洗い洗浄と完全乾燥を実施します。素材劣化を防ぐため、熱水洗浄やオートクレーブ(高圧蒸気滅菌)が可能かどうかの添付文書確認も不可欠です。
個人装備として「医療用駆血帯 通販」などを利用して自前調達する看護師も増えていますが、勤務先施設の感染対策マニュアルに適合した消毒耐性素材であるかを必ず照合してください。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
自身の業務スタイルや担当患者の特性に応じた、駆血帯選びの判断基準は以下の通りです。
ワンタッチ式がおすすめできる人: ・一般病棟や外来、健診センターなど、多数の採血・ルート確保を迅速にこなす必要がある看護師。 ・片手で素早く駆血解除を行い、針刺し事故リスクを低減させたい人。
チューブ式・シリコン幅広式を慎重に選ぶべき人: ・小児科、新生児科、血管が脆弱な高齢者が多い療養病棟勤務者(微細な締め付け調整ができるチューブ式や、皮膚刺激の少ない幅広シリコンバンドが推奨されます)。 ・アレルギー既往歴の多い透析室や化学療法室勤務者(ラテックスフリーかつ高水準消毒対応の器具が必須となります)。