古米を上手に炊く上で、最も基本的かつ差が出るポイントが古米の水加減のコツと浸水時間のコントロールです。「古米は水を多めにして炊けば良い」という認識は半分正解ですが、半分は大きな落とし穴を抱えています。
乾燥しているからといって、ただ目盛りより大幅に水を増やしてすぐに炊飯ボタンを押すと、米粒の表面だけが過剰に吸水して崩れ、ベチャつきの原因になります。重要なのは、炊飯前の段階で「芯までじっくり水を吸わせること」です。
農研機構や調理科学の検証データによると、米が水を吸い切る飽和吸水率は約20〜25%です。新米が夏場で30分、冬場で1時間程度で飽和に達するのに対し、組織が硬化した古米は最低でも夏場で1〜2時間、冬場であれば2〜3時間の浸水時間を要します。さらに理想的なのは、ボウルや内釜にラップをして「冷蔵庫の野菜室で一晩(約6〜8時間)じっくり浸水させる」手法です。冷水環境下では雑菌の繁殖を抑えつつ、米の中心部まで均一に水分を行き渡らせることができます。
十分に浸水させた後の水加減は、通常よりも5%〜10%(米1合あたり大さじ1〜2杯程度)増やすのが黄金比です。米の吸水状態を見極めず、やみくもに水だけを増量する失敗を避けることが、粒立ちの良いごはんに仕上げる鉄則となります。