過酷な仏教弾圧の裏で、なぜ浄土真宗は壊滅を回避できたのか。そこには一筋縄ではいかない激動の歴史と、他宗派にはない独自構造が存在した。新政府との緊張関係の中で、伝統を守り抜いた驚愕の真相を探ると、政治的柔軟性と経済的提示という二重の生存戦略が浮かび上がる。
誕生間もない新政府は極度の財政難に苦しんでいた。そこに目をつけた浄土真宗の陣営は、北海道開拓や海外渡航、さらには政府の戦費調達に対して巨額の資金と人材を提供したのだ。単に弾圧に耐えるのではなく、新国家の建設に必要なパートナーとしての価値を政府に認めさせるという、極めて現実的で巧みなアプローチだった。