ファンを惹きつけてやまない仮面ライダーBLACKの変身ポーズには、制作陣とキャストが極限状態の中で生み出した知られざる変身ポーズ誕生秘話が存在します。
当時、オーディションで数万人の中から選ばれた主演の倉田てつを氏は、演技経験が浅い19歳の青年でした。従来の仮面ライダーのような大振りのアクションではなく、「生身の人間が怒りによって異形の力を解放するリアリズム」を追求するため、アクション監督やスタッフと連日連夜にわたりポーズの試行錯誤が繰り返されたと伝えられています。
腕を鋭く左右へ振り抜き、胸の前で交差させてから腰へと引き絞る直線的かつソリッドな動きは、倉田氏の引き締まった体躯と鋭利な眼光によって完成しました。撮影現場の極度のプレッシャーと、「自分が仮面ライダーを背負う」という強烈な気迫がシンクロした結果、特撮史に刻まれる奇跡の倉田てつを氏による変身シーンが結実したのです。