日本の理容業界における低価格・短時間サービスの原点は、1990年代半ばに創業者・岩井由紀雄氏によって設立された株式会社キュービーネットにある。同社が展開した「QBハウス」は、洗髪や顔そりを削ぎ落とし、カットだけに特化することで「10分1000円」という革新的なビジネスモデルを打ち立てた。
当時は、伝統的な技術と丁寧なフルサービスを守ろうとする全国理容生活衛生同業組合連合会など既存の業界団体から困惑や反発の声も上がった。しかし、時間を節約したい顧客のニーズを正確に捉えたシステムは圧倒的な支持を獲得。理容業全体のサービス提供手法と店舗設計に構造的なイノベーションをもたらすこととなった。