一部の利用者の間には「貸金庫に現金を隠しておけば税務署に把握されないのではないか」という淡い期待が存在しますが、これは完全な誤解です。国税庁や税務署の調査能力を甘く見てはいけません。
税務署は法律に基づく強力な「質問検査権」を有しています。相続税や所得税の税務調査において、被相続人(亡くなった人)や調査対象者がどの金融機関に貸金庫を契約しているかは、口座の入出金履歴(利用料の引き落とし履歴)を洗うだけで一目瞭然です。
調査官は銀行に対して貸金庫の利用明細や入退出記録の提出を命じることができ、必要に応じて相続人の立ち会いのもとで貸金庫の中身を直接開扉・臨場調査します。「直前に多額の現金が引き出されているのに自宅に保管されていない」「亡くなる直前に貸金庫へ頻繁に立ち寄った形跡がある」といった不審点は徹底的に追及され、申告漏れが発覚した場合は重加算税などの重いペナルティが科されます。タンス預金隠しの目的で貸金庫を利用することは、費用が無駄になるだけでなく法的なリスクしか生みません。