元暴走族の弁護士・桜木建二が落ちこぼれ高校生を東大へと導く伝説の物語が、16年の時を経て帰還した。TBSテレビの日曜劇場で放送された『ドラゴン桜』は、阿部寛の重厚かつ鋭利な演技によって、単なるノスタルジーを遥かに超えた現代の教育批評へと昇華されていた。
令和のデジタルネイティブ世代に対峙する桜木の言葉は、時に辛辣で、時に誰よりも温かい。スマホ学習やSNSを活用した最新の受験テクニックを提示しつつも、根底に流れるのは「自ら考え、情報を選び取り、理不尽な社会を生き抜け」という普遍的な人生訓だ。学園ドラマという枠組みを借りて、混迷する時代を生きるすべての人々に向けた力強いアジテーションとなっていた。
生徒役として抜擢された若手キャスト陣の鬼気迫るアンサンブルも見逃せない。阿部寛という巨大な壁に体当たりで挑んだ彼らの演技は、画面越しにも伝わる切実な緊張感を放ち、日曜夜の視聴率を独走へと導いた。