古谷経衡を語る上で避けて通れないのが、いわゆる「ネット右翼(ネトウヨ)」層との決定的な決別だ。キャリアの初期において、彼は保守系のメディアや運動に深く関わっていた。しかし、ある時期を境にその内実を「感情論と陰謀論に支配された集団」として痛烈に批判し始める。
この転向とも言える動きに対し、かつての仲間やネット保守層からの怒りは凄まじい。ネット掲示板やSNSでは「ビジネス保守」「左転向してメディアに媚びを売っている」といった辛辣な言葉が並ぶ。裏切り者というレッテル貼りは今もなお続いており、彼の評判を二分する最大の要因となっている。
だが、本人はこうした批判をどこ吹く風と受け流す。むしろ、感情に流されずファクトで語ることの重要性を説き続け、自らのポジションを確立していった。この「かつての身内を冷徹に分析する」姿勢こそが、彼を他の保守系評論家と差別化する最大の武器になったのだ。