波平の収入を語る上で最大の一次資料となるのが、原作者・長谷川町子氏による原作漫画に描かれた「給料袋」の描写です。昭和40年代(1965年前後)の掲載回において、波平が持ち帰った給料袋の中身として波平の手取り月給は7万8,542円と明記されています。
当時の大卒初任給が約2万4,000円、公務員の平均月給が3万円台前半であった時代背景を踏まえると、この金額は一般家庭の2倍以上から3倍に相当します。税金や社会保険料が控除される前の額面月給に直すと約10万5,000円〜11万円程度と推計されます。
この数値を2026年現在の消費者物価指数、大卒初任給の推移(現在約23万〜24万円)、および50代半ばの大手・中堅商社管理職の賃金カーブに当てはめて磯野波平の年収を現代換算すると、次のような計算が成り立ちます。
当時の額面月給11万円は現代の貨幣価値で月給約85万〜90万円に相当します。これに夏冬各2.5カ月分(計5カ月分)の賞与を加味すると、波平の年間総支給額(額面年収)は1,080万〜1,150万円前後という結論に至ります。手取り額に換算しても年間約780万〜820万円を確保しており、日本の給与所得者全体の上位5%以内に入る高所得者層です。