開店の1時間前にもかかわらず、店舗の前にはすでに人だかりができていた。大手グルメサイトの食べログでもエリア最高峰の評価を獲得し続けるこの店に、なぜこれほど人々が引き寄せられるのか。その理由は、一杯の丼の中に凝縮された妥協なき仕込みにある。
別府冷麺の命とも言えるスープは、上質な昆布と牛骨をベースに丁寧に煮出された和風出汁だ。濁りのない澄み切ったスープを一口すすると、重厚な旨味とすっきりとした後味が口いっぱいに広がる。キャベツを使った自家製キムチの酸味と辛味が徐々に溶け出すことで、食べ進めるごとにスープの表情が劇的に変化していく。この計算し尽くされた味のグラデーションこそが、最後の一滴まで飲み干させたくなる最大の仕掛けなのだ。