バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症の代表的な疾患だ。この状態に陥ると、安静にしていても心拍数が急上昇し、常に激しい運動をしているかのようにエネルギーが消費され続ける。脈拍の異常増加、過度の発汗、手の震え、著しい筋力低下や全身の強い疲労感など、アスリートにとっては致命的とも言える症状が身体を襲う。
プロサッカーという極限の体力が要求される競技において、心拍数や体温調節が乱れるダメージは計り知れない。コンマ一秒の判断と一瞬のダッシュが勝敗を分ける世界で、ホルモンバランスの崩壊と戦うことは、まさに自らの肉体との壮絶な闘争であった。