ここからは、王道である指でかける作り目の手順と、続く棒針編み作り目1段目の編み方を論理的に解説します。手の構えと糸の軌道を正確に頭に入れることが成功への近道です。
まず糸端側を手前、毛糸玉につながる側を向こう側に配置します。左手の親指と人差し指の間に糸を渡し、下から3本の指(中指・薬指・小指)で両方の糸を軽く握り込みます。親指と人差し指を広げると、糸が「V字」に張られます。この状態で棒針を上から糸に当て、下に引き下げると親指と人差し指に糸の輪ができます。
針先を「親指の外側下から輪の中へ」くぐらせ、次に「人差し指にかかっている糸を上から針先で引っ掛け」、そのまま「親指の輪から引き抜く」動作を行います。親指を糸から抜き、針にかかった輪を引き締めることで1目が完成します。この一連の流れを反復することで目数を増やしていきます。
ここで重要なのが作り目の数え方です。日本編物検定協会の基準指導要領において、指でかける作り目では「針にかかった最初の結び目(ループ)」を1目めとしてカウントします。針にかかっているループの総数が、そのまま作り目の目数となります。
そして多くの人がつまずくのが「1段目」の処理です。指でかける作り目は、構造上すでに「作り目の鎖+半段分のループ」が形成されています。そのため編み図の「1段目」を編む際は、針にかかっている目の前面の糸(手前のループ)に右針を左から右へ差し込み、表目なら向こう側へ糸を引いて編み出します。針を入れる際にループをねじらないよう、糸の傾きを整えて編み進めることが美しさの鍵となります。近年はスマートフォンで閲覧できる棒針編み作り目動画解説を手元で再生し、指の角度をコマ送りで確認しながら練習する学習者が増えています。