ファンやリスナーが抱く最大の疑問の一つが、「結婚して幸せな家庭を築いているのに、なぜあそこまで女心や未練、切なさをリアルに描けるのか」という点だ。『水平線』や『怪獣のサイズ』、そして近年のヒット作に至るまで、歌詞に宿る生々しい感情は聴く者の胸を締め付ける。
これについて音楽批評家の間では、家庭という絶対的な安心感・安全基地があるからこそ、過去の苦い記憶や失恋のトラウマを冷静かつ深く掘り下げることができるのだと分析されている。心が満たされているからこそ、表現者として客観的に「切なさ」の抽出に没頭できる。現実の穏やかな夫婦生活と、作品世界における繊細な情緒のコントラストは、彼のソングライティング能力の極みと言えるだろう。