若き日の奥田瑛二との結婚生活は、決して順風満帆なスタートではなかった。俳優としての才能を開花させようともがく夫を陰で支え、極貧生活や世間の冷たい視線に晒される日々。その中で、一人の女性として、そして二人の子供を育てる母親として、彼女は重い責任を背負い続けた。
「家族の才能を信じ切ること」——口で言うほど容易ではない。夫の破天荒なエピソードに振り回されながらも、家庭という砦を死守した度胸は並大抵のものではない。彼女は怒りや不安をすべて言葉へと変換し、執筆や発言の糧とすることで、自らの精神的なバランスを保っていたのかもしれない。