法制度が存在する国の多くは、自国の社会保障制度や医療倫理の観点から、対象者を「自国民」または「永住権保持者」に限定しています。オランダやベルギー、カナダのMAID制度も居住条件を定めており、日本に暮らす日本人が現地へ渡航して即座に制度を利用することはできません。
この国際的な枠組みの中で、唯一の例外として非居住の外国人を受け入れているのがスイスです。スイスでは他国のような「安楽死法」ではなく、刑法第115条において「利己的な動機に基づかない自殺の幇助は罪に問われない」と規定されています。この法解釈を根拠に、非営利の自死幇助支援団体が活動を展開しています。
代表的な団体としては、世界中から会員を募るディグニタス(Dignitas)や、元医師らが設立したライフサークル(Life Circle / Eternal Spirit)、スイス居住者を中心とするエグジット(EXIT)などが知られています。日本人が合法的に自死幇助の申請を行える窓口は、実質的にスイスの国際受け入れ団体に限られているのが現状です。