日本中の誰もが知るトップ女優と、その活躍を根底から支えた母。安達祐実と母・安達有里の歴史は、スポットライトの光と熱、そして裏側に潜む濃い影の物語でもある。幼少期から二人三脚で芸能界を駆け抜けてきた二人は、あまりにも強固なビジネスパートナーであり、同時に濃密な母娘であった。だからこそ、一度反目した際の歪みは大きかった。
世間を驚かせたのは、2000年代半ばから巻き起こった一連の独立騒動と、母・有里自身のタレントデビューや写真集出版だった。娘の承諾を得ずにメディアへと露出を広げる母に対し、一人の独立した表現者として歩み始めていた安達祐実が複雑な心境を抱くのは当然の成り行きと言えた。メディアは連日のように「冷戦状態」「絶縁」と報じ、ワイドショーの格好のネタとなった。
だが、真相は単なる憎しみ合いではなかった。お互いに表現者としてのエゴと、血の繋がった親子としての情愛が激しくぶつかり合った結果の過熱状態だったのだ。孫の誕生や互いの人生の転機を経て、数年間の冷却期間を置いたことで、二人はようやく一歩引いた視点で相手を認め合えるようになったという。現在は不必要な干渉を捨て、大人同士の適度な距離感を保ちながら穏やかな関係を構築している。