実態が存在しないにもかかわらず、なぜ「隠し子」や「秘密の息子」といった噂がネット空間で絶えないのか。政治ジャーナリズムの観点から分析すると、そこには権力者に対する心理的なミステリー要素と、アルゴリズムが引き起こす情報増幅メカニズムが見えてくる。
巨大な権力を長年保持した政治家ほど、裏のストーリーが期待されやすい。「表に出せない後継者がどこかに潜んでいるのではないか」というフィクションめいた想像力が、SNS上のゴシップ系アカウントやまとめサイトによって拡散され、検索予測ワードとして定着してしまったのだ。
確証のない情報を事実のように語る言説に対し、報道機関としてファクトチェックを行うことは、誤情報が蔓延する現代において極めて重要な役割を果たしている。