ジョシュアツリー国立公園が他の自然遺産と決定的に異なるのは、標高の異なる「モハーベ砂漠(Mojave Desert)」と「コロラド砂漠(Colorado Desert)」という2つの乾燥生態系が園内で合流している点です。公園の西側・北側に位置する高地モハーベ砂漠は、冷涼で独特の植物「ジョシュアツリー」が生い茂り、東側・南側に広がる標高の低いコロラド砂漠は、乾燥がさらに激しくサボテン類が支配する荒涼たる平原を形成しています。この生態系のドラマチックなコントラストこそが、訪問者を惹きつけてやまない最大の要因です。
広大な敷地内を効率よく巡るために、絶対に外せない主要な見どころを押さえておく必要があります。
1. キーズビュー(Keys View)
リトルサンバーナーディーノ山脈の尾根に位置し、標高1,581メートルからコーチェラ・バレーを一望できる公園屈指の絶景ポイントです。眼下には活断層として名高いサンアンドレアス断層の亀裂が走り、晴れ渡った日にはソルトン湖や、遠くメキシコ国境近くのシグナル山まで見渡すことができます。夕暮れ時には砂漠全体が紫色から茜色へと移ろう壮麗な日没を拝むことができます。
2. スカルロック(Skull Rock)
パーク・ブルバード沿いに突如現れる、まるで人間の頭蓋骨のように侵食された巨大な花崗岩です。数億年前に地下のマグマが冷え固まり、気の遠くなるような年月の雨水と風食によって形成された奇岩地帯の中心に位置します。道路脇から歩いてすぐの場所にあり、周辺の岩場を縫うように整備された約2.7キロメートルのトレイルは、奇岩の谷を探検する感覚を味わえます。
3. チャラカクタスガーデン(Cholla Cactus Garden)
モハーベ砂漠からコロラド砂漠へと標高が下がる移行地帯に突如現れる、数千本ものチャラサボテンの自生地です。「テディベア・カクタス」という愛らしい別名とは裏腹に、そのトゲは靴底をも貫通するほど鋭利で危険極まりない植物です。設置された木道を歩きながら眺める景観、特に早朝や夕暮れ時に逆光を浴びてサボテンのトゲ全体が黄金色に輝く瞬間は、息をのむ美しさを誇ります。
4. 国際ダークスカイが認定する満天の星空
大都市ロサンゼルスの光害から遮断されたジョシュアツリーは、国際ダークスカイ協会(IDA)から「ダークスカイ・パーク(星空保護区)」に認定されています。公園は24時間開園しているため、夜間に車を止めて見上げれば、肉眼で天の川の濃淡がはっきりと確認できるほどの圧倒的な漆黒と無数の星々が頭上を覆い尽くします。