館内に足を踏み入れた来館者が一様に息をのむのは、展示されている作品の質の高さと、作品と鑑賞者の驚くべき近さです。主要な見どころは大きく3つの要素に集約されます。
第1の見どころは、教科書に載るレベルの20世紀巨匠たちの名品群です。パブロ・ピカソが晩年に描いた力強い油彩画『男と女』や『近衛兵と鳩』をはじめ、サルバドール・ダリのシュルレアリスムを体現する絵画や彫刻、マルク・シャガールの幻想的な色彩世界、さらにはフェルナン・レジェ、ジョルジュ・ルオー、アンディ・ウォーホル、ウィレム・デ・クーニングまで、20世紀の美術潮流を体系的に一望できます。
第2の見どころは、彫刻家・井上武吉(1930–1997)が設計した美術館建築そのものです。外壁には日本で初めてステンレススチール鋼板が採用され、周囲の緑豊かな自然や空の青さを鏡のように柔らかく映し出します。内部は段差とスロープ、吹き抜けを巧みに配した回廊構造になっており、来館者は彫刻的な空間の中を歩きながら、自然な視線の移動とともに作品と対面できるよう緻密に計算されています。
第3の見どころは、年間を通じて精力的に開催される企画展の独自性です。収蔵品展(常設展)に加えて、近現代の気鋭の日本人画家や彫刻家、独自の美学を追求する表現者たちにスポットライトを当てた特別展が年4回程度企画され、常に新しい芸術との対話を提供しています。