うたのおねえさんに就任した瞬間から、個人のプライベートは厳格な管理下に置かれる。テレビ業界でも類を見ないほど厳しいとされる「掟」の存在は有名だ。子どもたちの夢を壊さないため、そして番組のクリーンなイメージを保つために課される制約は多岐にわたる。
任期中の恋愛やスキャンダルは一切禁止。スキーやスノーボードといった怪我のリスクが伴うスポーツも固く禁じられている。さらに、派手なメイクや露出度の高い服装での外出自粛、立ち食いの禁止、自動車の運転制限に至るまで、生活の隅々まで徹底した自己管理が求められる。海外旅行に行く際にも詳細な申請が必要とされ、24時間365日「うたのおねえさん」であり続けることを求められるのだ。
しかし、近年の歴代お姉さんたちは、そうした清廉潔白なイメージを守りつつも、全力の「変顔」や全身を使ったコミカルなリアクションを披露し、親しみやすさという新たな価値を切り拓いた。完璧なアイドル像と飾らない人間味の絶妙なバランスこそ、過酷な規律の中で彼女たちが掴み取った独自の表現領域といえる。