2019年にユネスコ(UNESCO)の世界文化遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」は、日本国内にとどまらず人類共通の文化的金字塔として評価されている。特に評価されたのは、多様な規模や形状(前方後円墳、帆立貝形墳、円墳、方墳)が一堂に会し、古代王権の階層構造や葬送儀礼の発展プロセスを視覚的に証明している点だ。
世界文化遺産への登録は、文化財保護と地域開発のバランスを問う契機ともなった。高層住宅やインフラが密接する都市環境の中で、いかにして千数百年前の歴史的景観を後世へ継承していくか。堺市を中心とする保全取り組みは、世界の都市型遺跡保護の模範事例として熱い視線を浴びている。