筆者が取材に訪れた静岡県内の総合病院では、週に2回、元ラジオディレクターの患者遺族がボランティアで手掛ける生放送が行われていた。その日、脳梗塞の後遺症でリハビリへの意欲を失っていた70代の男性患者から一通のリクエストが届いた。青春時代に聴いた思い出の洋楽ロックだった。
曲が病室に響き渡った瞬間、それまでリハビリ室へ行くのを拒んでいた男性が、静かに足を踏み出したという。担当の理学療法士は「音楽とラジオの呼びかけが、彼の止まっていた心の時間を動かした」と涙ぐみながら語ってくれた。効率とデータが最優先されがちな最新医療の現場で、ラジオという泥臭くも温かなメディアが、人間らしさを取り戻す懸け橋となっている。この「言葉の処方箋」は、これからも多くの病室を優しく包み込んでいくはずだ。 (出典: 病院 ラジオ(Yahoo!ニュース))
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