アイヌの言い伝えにおいて、摩周湖は「カムイト(神の湖)」として信仰を集めてきた。流入する川も流出する川も存在しない摩周湖は、湖底から地中へ大量の水が浸透することで水位が一定に保たれているとされる。
その地下水脈が数キロの時空間を経て、山林の浅い凹地に一気に湧き出た場所こそがこの池である。先住民族アイヌの人々が「神の子」と呼んだ背景には、神聖な摩周湖の水脈から直接命を吹き込まれた池であるという深い敬意と畏怖が込められていた。火山灰層と溶岩層を何十年もかけてろ過された水は、不純物をほとんど含まない極限の純度を誇り、青い光だけを反射する独自の光学現象を生み出している。