整骨院や接骨院に通うにあたり、最も誤解が生じやすいのが保険適用のルールです。「整骨院ならどんな肩こりや腰痛でも数百円の保険証で安く揉んでもらえる」と思い込んでいる利用者がいまだに存在しますが、これは法的な制度上、明確な誤りです。
厚生労働省のガイドラインに基づき、柔道整復師が健康保険を適用できる範囲は、「急性または亜急性の外傷(骨折・不全骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷)」に限られています。たとえば「重い荷物を持ち上げた瞬間にギックリ腰になった」「階段を踏み外して足首を捻挫した」「スポーツ中に筋肉を肉離れした」といった、明確な負傷日時と原因が存在するケースのみが対象です。
一方で、日常生活の姿勢の悪さからくる慢性的な肩こり、加齢による慢性腰痛、単なるリラクゼーション目的のマッサージなどは、健康保険の対象外であり全額自費診療となります。利用者のカルテを不正に操作して慢性疾患を打撲や捻挫に偽装して請求する悪質な施術院は、度重なる行政指導や返還請求の対象となっており、2026年現在では取り締まりが極めて厳格化しています。初診時の問診で「どこからが保険で、どこからが自費になるのか」を透明性をもって料金提示してくれる院こそが、真に信頼できる医療従事者としてのモラルを持った施術院です。