「病院でレントゲンを撮って異常なしと言われたのに、痛みが全く引かない」という声は非常に多く聞かれます。足の指骨折は、受傷直後のレントゲン画像に明瞭な骨折線が写らないケースが珍しくありません。
レントゲン(X線検査)は骨の影を2次元の平面として投影する検査です。足の指の骨は非常に小さく、複雑にアーチを描いています。骨に生じたヒビ(不全骨折)の割れ目に対してX線の照射角度がわずかでも斜めにズレると、骨折線が骨の陰影に隠れてしまい、画像上では「骨折なし」と診断される現象が起きます。これが、受傷直後の足指骨折におけるレントゲンの見落としが生じる最大の原因です。
骨折部では受傷後1〜2週間が経過すると、折れた骨の断端を修復しようと骨皮質が一時的に吸収され、その後新しい骨(仮骨)が作られ始めます。この過程で骨折線がレントゲン上で以前より太く明瞭に浮かび上がるため、「2週間後の再撮影で初めて骨折が判明する」という事態が頻発します。さらに、軟骨部分の損傷や微細な骨挫傷を正確に突き止めるためには、X線だけでなく足の指骨折に対するMRI検査や超音波(エコー)検査を組み合わせた精密な診断が大きな威力を発揮します。